こんなに美しいものも

江戸東京博物館に行ってきました。
特別展で、ボストン美術館所有の浮世絵を展示していました。
とにかく驚きました。
まずは、これだけの巨匠の作品が日本の美術館ではなく、アメリカのボストン美術館が持っていること。芸術品の流出というのでしょうが、日本が生んだすばらしい作品が日本にないことを、文部科学省はどう思っているのでしょう?
しかも、ボストン美術館の館員の皆さんが、日本の美術をとても大切にしてくれている、それは保管状態でよくわかります。圧巻は、葛飾北斎の龍と虎、龍と蛇が描かれたちょうちんでした。ボストン美術館では、ちょうちんそのものが保管されていたのではなく、下紙に貼り付けてあったちょうちんの絵を、今回の出展にあわせて、ちょうちんの形に立体的に再現したというのです。作業に1年以上かかっているらしいです。
つぎに、驚いたのは、浮世絵の奥の深さ。木版画で刷られた錦絵ぐらいの認識しかありませんでしたが、取り扱っている題材は、民間人の生活はもちろんのこと、歌舞伎の役者やおいらんを描き、さらには日本の古典ばかりでなく中国の物語まで題材にして掛け軸にしているなど、それはそれは、日本の歴史を見るようでした。
高校で日本史の履修がどうのと言っていますが、浮世絵をじっくり見せて、作者が、どの時代の何を描きたかったのか、そして、その時代の政治や経済がどうだったのかを高校生に考えさせるほうがよほど勉強になると思いました。
そして、これもすばらしいと思ったのが、江戸東京博物館の館員のかたで、英語で日本の芸能を解説している人がいて、それが決して発音は欧米的ではないのですが、まるで江戸っ子がその雰囲気をそのまま英語にあらわしているような「粋な」ガイドさんでした。
「美しい日本」は、これから作るものではなく、2000年の歴史の中にすでにあったと私は考えます。明治維新と太平洋戦争で失ったもの、とくに、江戸時代に成熟した文化を今の日本人に取り戻せば、携帯電話の移行がどうとか、いじめがどうとか、北朝鮮がどうとか言わずに、胸をはって、日本はこんなに美しいと言えるようになれると考えます。







